うつ病の克服とは「元の自分」から抜け出すこと

うつ病は本当に厄介な病気です。

内科系や外科系の病気とは違い、
精神疾患と身体不調を両方伴います。

メンタルケアによってこころの病気から快復することと、
フィジカルケアで体調不良を健康状態へ快復することの
両者を同時並行して行わなければなりません。

うつ病を発症した疾患者の多くは
心身共に快調を取り戻して
社会に復帰しています。

ところが、うつ病から復帰したはずなのに、
再びうつ病を再発させるばかりか、
悪化させてしまうことが多分にあります。

いったい何故なのでしょうか？

そこで、うつ病疾患者の再発について調べてみました。

どうも明確な答えを示している情報源はないのですが、
自分の経験も踏まえて考えてみると見えてきたのは

『うつ病の完治』

です。

特に、初めてうつ病になったときに
初期段階でうつ病を根治していないため
回復後も再発してしまうループに入ってしまうようです。

一度でもうつ病になったことのある方なら
こんな経験ありませんか？

『健康を取り戻そうと、回復を急いでしまう』
『早く社会復帰しないといけないと、復調を焦ってしまう』

両者ともに非常に重要で、特に留意しないといけない点です。

１．健康回復を急ぐこと

うつ病を発症する原因に、

・身体的な疲労の蓄積 ・精神的に強力なストレスやショックがあった ・身体的あるは精神的なストレスが徐々に蓄積される
があげられます。

これらが臨界点に達したときに
「心身の状態が臨界点を超えて悪化した」
という赤信号がでて、
うつ病の諸症状を発します。

うつ病がまだ初期段階の場合、
身体的・精神的なダメージは軽症です。

そのため、
一定期間休養を取るなどして
ストレスからある期間距離を置くと
ストレスは徐々に緩和されて
うつ病の症状は軽減され、
ほとんどでなくなります。

これが疾患者が勘違いしてしまう要因になります。
症状は緩和されたとしても、
それは一時的に症状がなりを潜めるただけです。
ストレッサーがストレスをかけると
とたんに症状が現れてきます。

この段階は、
うつ病の症状が緩和されただけで
まだ根治してはいないということ。
それを、健康は回復した、
そう勝手に判断（勘違い）してしまい、
元の自分のペースで生活をするようになります。

症状が軽くなり、
健康回復したと思ったとしても、
実際に根治したかどうかはわからないのです。
この見極めを誤ってしまうことで、
本来はまだ復帰してはいけない状態なのに
元の生活に戻ってしまうことが大きな原因です。　

　
２．社会復帰を焦ること

健康回復を急ぐことの最大の理由は
この
『社会復帰を焦ること』
が背景にあるのでは何ないでしょうか。

会社員であれば、
なんと真面目というか会社思いというか、
『自分が休んでいる場合ではない』 『自分がいち早く復帰して仕事をしないといけない』
などと勝手に思い込み、復帰を焦ってしまいます。

でも、焦って復帰しても
元の生活が戻るだけのことです。

会社が貴方をうつ病にしたのかもしれませんし、
会社は貴方が思っているほど、
貴方のことを想ってくれてはいないでしょう。

そんな会社への復帰を焦ったとして、
貴方にとってなにかメリットはありますか？

たとえ貴方が休職したとして、
貴方が休職することで会社にダメージはありますか？

会社は倒産するわけにはいきません。
ですから、
貴方が休職すことで空いた穴は、
ちゃんと埋まるようになっているものです。
それが会社です。

結構、なるようになるものです。

焦って復帰したからといって
特別賞与がでるわけでもないし。

それよりも、
自分を見つめるいい機会だと思って、
それまでの自分を苦しめてきた生活を振り返りながら、
これからの自分にとって必要なこと、
これからの自分にとっていらないことを
見直してみてはどうでしょうか。

しばらくはこれまでのこととは一線を画し、
距離を置いて身体的な疲労緩和を図る。

また、精神的なダメージをケアしてあげることで
メンタル面のアンバランスな状態を緩和してあげる。

休養を余暇と思って、思い切り楽しんでみる。
それまでできなかった趣味を楽しむのもよし。
じっくりと読者に浸ってみる。
好きな音楽を聴きまくる。
（スマホやインターネットはあまりお勧めしません。）

このようなことをすることで、
徐々に自分自身のこころの在り方を変えていくのです。
つまり、
うつ病の回復を、単なる病気の回復とせずに、
自分自身の成長と価値観の向上・改善をすることで、
元の自分の生活には戻らず、
新しい自分の生活へとシフトする。

これによって、
それまでの辛く苦しかった生活も
徐々に心身の負担がかからない生活にシフトしていくでしょう。

３．たとえ再発しても怖くない

このように考えてみてください。

１．貴方にとって一番大切なことは、健康であること。 ２．貴方にとって今一番の願望とは、健康体でいること。 ３．貴方にとって幸せなこととは、充実した生活を過ごすこと。 ４．貴方が充実した生活を送るには、健康であること。

まず健康を取り戻すことを優先してください。

そして、

１．もとの自分の生活に戻ることは、またうつ病になるリスクが大きいと理解する ２．元の自分の生活で、好きな事ややりたいことは何かをはっきりさせる ３．元の自分の生活で、嫌いなことややりたくないことは何かをはっきりさせる ４．嫌いなことを一生懸命努力しても、いやなことをして成果が上がるわけがない ５．嫌なことに注力するよりも、好きな事ややりたいことにエネルギーを注ぐ

社会復帰を焦っても、
復帰後に嫌なことに注力しても成果は出ませんし、
またストレスが溜まってうつ病になるりすくがあります。

嫌いなことややりたくないことは
道路にある水たまりのようなもの。
ちょっと横に良ければそれですみます。

あまり、真剣に考えすぎず、
まずはこころの整理をしてみましょう。